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都営地下鉄でスマホを紛失した件

2019-04-03
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 3/21(木、祝日)都営地下鉄でスマホを紛失した。本郷三丁目でないことに気づいたが、春日駅で三田線から大江戸線に乗り換えたので、三田線か大江戸線のどちらかで座席に置き忘れたに違いないと確信した。紛失場所がある程度絞れるので、事務所に着くとすぐに都営交通お客様センターに電話をかけた。受付終了の20時近くまで三回かけたが、結局私の落とし物は見つからず、「本日は、祝日ということもあり、遺失物の登録が遅れることもあるので、明日もかけてみてください」と言われた。ちなみ、探してもらう際にこちら側が提供した情報は、スマホかガラ系の携帯かということと、色、そして、通信会社という3点のみであった。こちらの名前も連絡先も聞かれなかったので、少し物足りない気分を味わった。そして、翌日の3/22、最後のチャンスと思い20時近くに、お客様センターに電話したところ、該当するスマホはありません、というにべもない返事が返ってきた。
 2日間、連絡して見つからなかったので、私としてはもはや腹をくくるしかなかった。このスマホは業務上も使っているため、長い間、通話不能の状態にしておくわけにも行かないので、契約している通信会社ソフトバンクに行った。まず、停止の手続きを取り、紛失時の代替え機は用意していないということなので、早急に新規端末を購入しなければならない旨告げられた。新規端末を購入するとなると値も張るので、秋葉原を回った末入手し、数日後には通話を再開させることができた。
 私は、てっきり座席に置き忘れたスマホを誰かが拾い、都営の遺失物係にも交番にも届けず、ちゃっかり自分のものにしてしまったのだろうと思った。使い古しのスマなどどうせ二束三文にしかならないだろうが、たまたま明日の生活にも困っている者に見つかってしまい、換金処分されたに違いない。紛失後、私は何度も自分の携帯番号に電話をかけてみたが、直後には着信音が鳴ったが、その日の夕方には、「電波の届かないところに……」というメッセージがもう流れ出していた。恐らく自分の物にした者が、所有者からの連絡をうるさがり、電源をオフにしているのだろうと推測した。
 通信が再開され、この不愉快な出来事を忘れかけていた頃、ソフトバンクからの通知が届き、そこには、私の紛失したスマホが警視庁の遺失物センターに届けられていることが書かれていた。新しい端末を購入してから戻ってきても意味はないのだが、とりあえず、センターに行くことにした。恐らくスマホを拾い、自分の物にした輩があまり賢くなく、こちらで通話を停止した後、再びどこかに捨てたのであろうと推測した。再拾得者は、善意で交番に届けたのであろうが、いずれにせよ時すでに遅しであり、届出などせずそのまま自分のものにしてもらった方が良かった、という思いが頭の中をよぎった。
 警視庁の遺失物センターに行き、すでに何の役にも立たなくなったスマホを受け取った時に、ついでに「いつ見つかったのですか?」と聞いてみた。すると、驚くべき答えが返ってきた。拾得されたのは私がスマホを落とした当日の3/21であり、しかも拾得場所は都営地下鉄線内だというのである。まさに、私が最初に予想した通りであり、しかも当日中には、都営地下鉄の遺失物の保管場所に収めらいたというのだ。ならば、あの二日間にわたっての、お客様センターとのやりとりは何だったのであろうか。
 事務所に戻ると、お客様センターに電話した。3/21に起きたことの一部始終とその顛末について伝えると、上席に相談すると言っていったん電話を切られた後、折り返しの連絡があり、調査後また電話するという回答があった。多少重く受け止めているという感触があり、少しは溜飲が下がる思いがした。調査後の連絡は翌日あり、私とのやりとりはすべて録音されており、それを確認したとのことだった。紛失したのは三田線だったが、三田線はメトロに接続しているため、3/21中には都営の遺失物係には届かなかった。翌22日にも電話しているが、それについては、遺失物係の者が、通信会社をソフトバンクではなくワイモバイルとして入力してしまったため、お客様センターで案内した者が、マッチングできなかったというのだ。私は忘れていたが、電話の録音に「ワイモバイではないですか?」という案内の者の質問があり、それに対して私は「違います」と答えていたそうだ。向こうにもミスはあったのだが、経過を説明してそれですべておしまい、ということになってしまった。
 私としては、何か釈然としない思いが残った。私は、仕事柄、本人訴訟なら自分でもできる自信があるので、今まで自分の案件に関しては訴訟を提起した経験が何度かある。しかし、今回は、先方にミスはあったとしても、一義的にはなくした自分が悪いので、訴訟に向かないとまず思った。
 釈然としない一番の理由は、スマホという高額商品に対する、都営地下鉄の側の対応・取り扱いの軽さにある。私の端末はアンドロイドだが、iPhoneなら十万を超える機種がざらにあるだろう。傘などとは訳が違うのである。傘を忘れたことは度々あるが、その場合は、買い換えるにしても千円程度ですむので、そもそも遺失物の問い合わせすらしない。しかし携帯電話に関して、そういったものと同列の取り扱いをしていることに対する疑問が強く湧いてきた。また、携帯電話独自の特殊な事情もある。高額な貴金属なら、たとえ一ヶ月先に戻ってきたとしても、落とし主は拾ってくれた人に感謝の気持ちが湧くであろう。しかし、携帯の場合、新しく端末を買ってしまってから戻って来ても、そのような感情は湧かないのである。戻って来た忘れ物は、すでに用をなさず、売却しても二束三文の価値しかない。私の場合、もし同じようなことが起こった時への備えとして、戻って来たスマホを保管することにした。しかし、紛失したこと自体初めてだったので、これが役に立つ可能性は限りなくゼロに近い。
 この釈然としない思いをどこにぶつけたらいいのかとよくよく考えてみると、やはりそれは都営のシステム自体にあるのではないか、と考えざるを得ない。都営の遺失物係は、ソフトバンクのスマホを誤ってワイモバイルとして登録してしまったが、こういうヒューマンエラーは避けられない。我が身を振り返っても、この程度の間違いはしばしば犯しているような気もする。また、お客様センターで電話口に出た女性に対して、ワイモバイル以外は同じ条件のスマホがあったにも関わらず、どうしてもっと調べてくれなかったのかという思いも確かにあるが、こういう場合の対処法はたいていマニュアル化されており、その範囲でしか動けないものである。ならば、こういった担当者たちの行動を規制している、都営の遺失物に関するシステムそのものに欠陥がある、とうことになるのではないか。
 実は、これについては、簡単な解決方法がある。携帯やスマホには、持ち主の電話番号がすべて登録さている。これは、色とか通信会社などよりも、よっぽど確実な情報である。しかもこれをマッチングするには人を介さずにネット上で簡単にできるはずだ。夜中になくしたことに気づいたとしても、すぐにネットで調べられ、見つかれば安心できる。そして、受け渡し時に、本人確認すればきわめて効率的な対処方法となるのではないか。高額で、しかも個人を識別する情報を内蔵しているという携帯電話ならではの特色を活かせば、もっと効率的に紛失による被害を減らせるのではないか。
 携帯がはびこる社会に対して、そもそも私は不快感を感じている。しかし、それをなしで過ごせる時間がどんどん短くなっていることも、またまぎれもない現実なのである。それに対しては、それを踏まえた対策が必要なのである。これが、今回の事例を通して強く感じたことなのである。


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